認知症の診断・診察の流れ

認知症診療の流れ

主に以下のような流れで検査や診断を進め、治療方針などを決定します。

  1. 認知機能低下を確認
    問診・身体診察・心理検査・ADL評価 など
  2. 内科的・外科的疾患による認知機能 低下を除外(広義の認知症)
    採血・レントゲン・心電図・CT・MRI・脳血流・代謝 などの検査
  3. 機能性精神病(うつ病 / 統合失調症)などを除外
  4. 狭義の認知症の鑑別

認知症症状の3次元

認知症症状の3次元を示すイラスト

アルツハイマー型認知症の経過の概要

アルツハイマー型認知症の経過を示すグラフ 西川 隆:神経内科2010;72(Suppl.6):277-283 より改変

認知症を早期発見する意義

1. 早期鑑別ができる

原因となる病期固有の症状を把握でき、適切な対処方法、ケアプランを選択できる。

2. 本人の意思の尊重できる

本人の意思や判断をくみ取ることが困難になる前に、意思を確認することができる。

3. 精神症状や行動障害(BPSD)の出現の軽減できる

BPSDに対する適切な対応を把握して準備することができ、激しいBPSDの出現をおさえたり、その結果入所や入院時期を遅らせることができる

4. 家族・介護者のクオリティー・オブ・ライフの維持ができる

正しい疾患理解により、予測できる症状に対するケアに要するエネルギーが減る。きちんとした医療が節目節目に関わることができ、生活の質が豊かになる。